大きな地震の直後は、誰でも頭が真っ白になります。だからこそ「順番」をあらかじめ知っているかどうかが行動の質を決めます。揺れが収まってからの1時間を時系列で整理しました。

結論:①身の安全と靴 → ②火元・ガスの元栓 → ③出口確保 → ④家族の安否 → ⑤情報収集 → ⑥在宅避難か立ち退き避難かの判断。この順番だけ覚えておけば、あとは備蓄が仕事をします。

最初の10分

1. 身の安全と「靴」

揺れが収まったら、まず靴かスリッパを履きます。屋内のガラス片による足裏のけがは、地震の負傷原因の定番です。寝室にスリッパや底の厚い携帯シューズを常備しておくと、夜間の地震で効きます。

2. 火元とガス

  • 使用中の火を消す(大きな揺れの最中は無理をせず、収まってから)
  • 都市ガスは大きな揺れで自動遮断されるメーターが一般的。ガス臭いときは元栓を閉め、換気扇や照明のスイッチに触れない(火花で引火の恐れ)

3. 出口の確保

ドアや窓を1カ所開けておきます。建物の歪みでドアが開かなくなるのを防ぐためです。

次の30分

4. 家族の安否と足元の安全化

  • 家族の負傷確認。ガラス散乱エリアは靴のまま
  • 軍手・革手袋があれば散乱物の片付けが安全に

5. 情報収集

  • テレビ・防災ラジオ(ソニー ICF-B99)・自治体の防災アプリで震度と津波情報を確認
  • 沿岸部で強い揺れ・長い揺れを感じたら、情報を待たず高台へ——津波は初動がすべてです
  • スマホは低電力モードに切り替え(電源の備え参照)

1時間後:在宅避難か、避難所か

避難所は「家に居られない人」のための場所です。次の条件を満たすなら在宅避難(自宅で過ごす)が基本になります。

判断項目 在宅避難できる条件
建物 倒壊・大きな傾き・損傷がない
火災 近隣で延焼の危険がない
立地 津波・土砂・浸水の警戒区域でない
生活 備蓄がある(食料トイレ

在宅避難は「プライバシーが守れる・ペットと居られる・感染症リスクが低い」と利点が多く、そのために備蓄があると言っても過言ではありません。

やってはいけないこと

  • 断水確認前のトイレの水流し——配管損傷があると階下へ漏水します。まず非常用トイレ
  • エレベーターの使用
  • 車での無用な移動(緊急車両の妨げ+渋滞に巻き込まれる)
  • ブレーカーを上げたままの避難——停電復旧時の通電火災の原因。立ち退き避難時はブレーカーを落とす

備えがあってこその初動

この記事の行動リストは、備蓄という土台があって初めて機能します。


※本記事は一般的な行動目安です。実際の災害時は気象庁・自治体の公式情報と避難指示を最優先してください。

「順番を知っている」は、それ自体が持ち運び不要の防災グッズです。家族と夕食の10分で、この順番を一度話す——それが今日できる一番の備えです。